1.防音の知識

  ★固体音と空気音 

音には空気を媒体に伝わる空気音と壁や床などから伝わる固体音とがあります。
固体音とは2階の床を歩く音や大型トラックが家の前を通ったときの床の振動音など、空気音は話し声や飛行機の音などです。
当然、楽器はドラムのバスドラムなどを除き、大半が空気音となります。

   ・空気音の対策

  1. 重く厚い(振動しにくい)素材を選ぶ。
  2. 隙間をなくす。
  3. 素材の材質を同じものにしない→同じものだと特定の周波数で振動を起こすため(コインシデンス効果)
  4. 多層構造の壁や天井にして、間に空気層を設ける。

・固体音の対策

  1. 強度のある素材を選ぶ。
  2. クッション性のある素材を選ぶ。
  3. 振動を断ち切る(浮き床にする等)

   ★db(デシベル)とHz(ヘルツ)

db(デシベル)とHz(ヘルツ)は共に音の大きさと音程を表す単位。
音は波であるため、dbはその波の大きさ(音量・音圧)、Hzは波の細かさ(音程)となります。
楽器の防音で一番大変なのは低周波で音圧が大きいウッドベースや、いろいろな周波数が入り混じり音量も大きいドラムです。
アンプを通した楽器よりも生楽器の方が周波数帯が広く、音のエネルギーが大きいため、実際聞こえる音の多きさと異なることを覚えておいてください。
ちなみに一般の生活レベルは20〜50db迄が快適といわれています。

体感 きわめて静か 静か 日常的騒音 うるさい きわめてうるさい 聴力機能に障害
db 20db 40db 60db 80db 100db 110db以上
環境音 深夜の郊外住宅地 昼間の郊外住宅地 水洗便所の音 ボウリング場 地下鉄構内 ジェット機(200m)
人間の声 赤ちゃんの寝息 ささやき声 普通の話し声 小学生の笑い声 怒鳴り声

叫び声(30cm)

★音の減衰

遠くの音が小さな音で聞こえるのは、音が空気振動だから。
距離が2倍になると音量(db)は約70%になります。
壁圧を4倍にすると音量(db)は約50%になります。
2重壁にするのであれば、間に空気層を設けると1枚目の壁で減衰した音を空気層で和らげ、2枚目の壁でさらにとめることができます。

★遮音と吸音

遮音は比重の高い素材を隙間の無い状態にし、音を跳ね返すことです。
吸音は柔らかく厚い素材や音が乱反射、互いに相殺するような素材で音を減衰させることを指します。
遮音と吸音は防音の基本ですが、吸音と遮音の割合や、直接楽器音が反射する内装材の素材によって、出来上がったStudioの音場がライブになったりデッドになったりと影響が出るため、よく検討をする必要があります。
その他にも、学校など反響の良い場所で手をたたくとビーンと音が反射したりしますが、これをフラッターエコー(鳴き竜)といい、音場に悪い影響が出るため、コーナーを丸くしたり拡散反射させるような素材を使用したりして対策し、単に防音だけでなく音場を形成する観点でStudoの設計施工を行うことをお勧めします。

★建物構造について

建物と言ってもRC(鉄筋コンクリート)・木造2×4・在来軸組み・ポスト&ビームなどいろいろな建築構造があります。
大まかに大別すると木造か鉄筋コンクリートか鉄骨かとなるわけですが、防音の観点から見れば重く比重の高いRCが一番有効です。
今回のStudioは木造在来軸組み工法。 一番防音が大変な構造になりました。

お勉強はこの辺にして、ここからはStudioの施工を写真で紹介します。