外側壁

壁の構造は2重壁の間に10cmの空気層を設けて音を止めるようにしました。
内側の壁は内装で反響などを調整し、壁中では吸音をメインにし、外側の壁で遮音を行います。
壁の構造は複数の素材を隙間無く貼ることによりコンシデンス効果を押さえ、2種類の密度の違う吸音材(グラスウールとロックウール)で吸音を行い、遮音シートはあえて厚いものにせず、薄い素材を重ね貼りしました。
また、隙間は防音コーキングとブチルテープ等でしっかりふさぎ、気密が保てるようにしました。

・外側壁構造

外壁に重量のある素材を使い、ロックウール・グラスウールで吸音し、遮音は遮音シートの重ね貼りした上にプラスターボード(石膏ボード)とコンパネ(ベニア板)を重ね貼りしています。

壁は柱と梁があり、その中にパネルと呼ばれる枠(今回は2×4材)を立てて行くわけですが、パネルと梁の間に遮音シートをまず挟み込みました。
黒く見えている部分は遮音シートの縁です。
この遮音シートで現在見えている部分はカッターで切り取り、パネルと躯体の間をコーキングでふさぎます。

パネルの枠ができ上がり、外壁面の下地になるラスボードを取り付け後、全ての隙間という隙間に遮音コーキングを施工します。
木造は以外に隙間が多く、ところによっては外の光が漏れている箇所などもありました。
あまり隙間が大きい場合はバックアップ材(発泡スチロール)を詰めてコーキングします。
施工が終わると、窓やドアがまだはまっていないのに、声がお風呂のように反響するようになりました。

*ここは裏には隙間がないからいいやと思わず、材料の接地部分は全てにコーキングすることをお勧めします。

コーキングの次はロックウールの施工です。
以前のスタジオは密度が24kgと10kgのグラスウールで防音しましたが、今回はグラスウールよりも密度が高く、防音効果の高いとされるロックウールを使いました。
もちろん石綿は入っていないため塵肺の恐れはありません。
ちなみに厚みは40mmです。

しかしグラスウールと比べると以外にお値段が高い・・・・

ロックウールの上に密度10kgのグラスウールを重ね貼りしました。10kgというと綿菓子のようにふわふわなのですが、実際の防音は空気音を空気の振動を止めて行うため、密度が高く重いものだけが良いかというと実際には吸音に関してはそうではないようです。
いろいろな素材の組み合わせでいろいろな周波数帯をとめることを考えると、柔らかい素材も必要なのです。
ちなみに今までの本格的なスタジオを作る前に自宅を改造した防音部屋を作ったときの吸音材は新聞紙を丸めたものでした。
(高校生の時、お金をかけずに考えた方法です)
グラスウールの上に9.5mmのプラスターボードを止めてゆきます。このとき、各壁の四隅は全て遮音コーキングで隙間が無いように施工し、ボードとボードの隙間はテープで目張りするのですが、ここの部分はすぐ上にコンパネを貼るため厚みのあるブチルテープは使わず、ガムテープで目張りしました。
コーキングを行うと驚くほど反響する部屋になります。


施工をしていると、金具などが邪魔をすることが多いのですが、梁の引っ張り金具の出っ張りで、どうしてもこの部分だけ切り欠くことになったため、その部分はウレタンフォーム(泡状の発砲ウレタンスプレー)施工後、遮音コーキングを使ってふさぎました。

当初の予定ではここで遮音シートの2重張りの予定でしたが、プラスターボードにタッカー(遮音シートをとめるホッチキスの大きいもの)が効かないため、コンパネを施工後遮音シートとなりました。
ちなみに、プラスターボードはできるだけ切れ目が無いように9尺のものを上から下まで1枚で貼っていますが、コンパネは6尺のものを使い、隙間も重ならないよう工夫して貼り付けてあります。
当然、この面も四隅コーキングした上でテープで目張りを行っています。

壁面だけでなく土台部分もバックアップ材とブチルテープやコーキング材でコンクリ基礎と木材土台の隙間を埋める工夫がしてあります。

遮音シートの2重張りはできるだけ広い面積で効果を出すため、梁や土台の部分まで貼り伸ばししています。
また、1枚目の継ぎ目は2枚目で完全に隠れるようにして貼り付けしています。

最後に遮音シートの上にプラスターボードを貼り付けて1枚目の壁は完成です。
ちなみに、最後のプラスターはコーキングをしても後ろが遮音シートであるため、コーキングはしていません。

今回使った防音素材の紹介

1.遮音シート

今回、防音資材の仕入れで協力頂いた業者さんに相談をしたところ、厚いシート1枚よりも薄いシート2枚の方が裏表×2で遮音できることと、貼り代を変えることで隙間がふさげるメリットもあるため効果が出るとアドバイス頂き、あえてコストの安いB防音用のDAIKEN940SSを重ね貼りすることにしました。
何しろ15畳程度のスタジオの遮音だけで240mも必要になるのでコストは重要です。

2.遮音コーキング

このコーキングは経年による痩せが少なく、比較的硬く固まるコーキングです。
ちなみに外側壁だけで24本必要でした。